動物の動画を眺めるのが、私のリラックス方法の一つです。かわいらしい写真が添えられたSNSの投稿を目にすることも多く、飼い主たちの愛情が伝わってきて、温かい気持ちになります。
しかし、先日、この世を去ったペットの遺骨を納めた霊園が突然閉鎖され、供養できなくなったとの話を耳にしました。この霊園に遺骨を納めている奈良県桜井市の男性(66)に会いに行きました。
妻と2人暮らしだった男性が、犬を飼い始めたのは約40年前。「癒やしがほしい」と思ったのがきっかけでした。散歩をしたり、一緒に寝たりと「いつもそばにいる我が子のような感覚」のとりこになり、犬のいない生活は考えられなくなったそうです。現在は6匹と暮らしています。
40年の間には何度も別れがありました。男性は1992年から県内のペット霊園の納骨堂に遺骨を納めるなどし、毎月の法要にも参列していました。「対応が手厚く、信頼していた」と言います。
しかし、昨年10月、法要に参列しようと霊園を訪れると、納骨堂の入り口に貼り紙がありました。〈破産申し立てをする〉。納骨堂の中にも入れなくなっていました。
運営会社に電話をしてもつながらず、1か月待っても音信不通のまま。同11月に貼り紙に書かれていた代理人弁護士に連絡を取ったそうです。
代理人弁護士の説明では、資金繰りの悪化で同11月に裁判所に破産を申し立てたとのこと。「経営不振は時代の流れで仕方がない面もあるが、何の連絡もしないのは無責任だ。飼い主の気持ちを踏みにじるようなやり方は許せない」。そう憤った男性の気持ちは痛いほどわかります。
代理人弁護士に取材をすると、同社が運営する二つの霊園では計約830人と利用契約を結んでおり、裁判所から「影響する人数が多く、業務を引き継ぐ業者がいないと破産手続きの開始決定はできない」と伝えられたそうです。
同社は現在、県内の複数の業者と事業継承の交渉中です。納骨堂の遺骨を引き取ることもできますが、男性は再開を信じ、置き続けています。
ペット霊園を巡るトラブルは珍しくないようです。国民生活センターには「急に連絡がとれなくなった」「ホームページ記載の値段より高い金額を支払わされた」といった相談が寄せられています。
一般社団法人「日本動物葬儀霊園協会」(金沢市)によると、ペット霊園関連の事業者は1000社以上あり、事業者が所属する協会も複数あります。その一つで、2010年設立の一般社団法人「全国ペット霊園協会」(兵庫県三田市)は「業者の増加で経営が苦しくなる会社が出ているほか、実際より安い金額で宣伝する会社もある。業界を挙げて注意喚起が必要だ」としています。
一般社団法人「ペットフード協会」(東京)の昨年の調査では、全国で飼育されている犬は推計680万匹、猫は同916万匹に上ります。心から悼み続ける男性の姿に触れ、ペットを家族の一員として大切にする人たちを裏切らないでほしいとの思いを強くしました。(社会部 山根彩花)
Advertisement
Advertisement



Advertisement
Advertisement






Advertisement
Advertisement











Advertisement




![彩の国さいたま芸術劇場で現代アートチーム目[mé] の展覧会企画が開催](https://www.doitme.link/cdn-cgi/image/w=80,h=45,f=auto,fit=cover/icon/246630812923989303.png)















Advertisement