企業のオフィス内に設置された冷蔵庫で弁当や総菜を提供する「置き社食」の導入が広がっている。テレワークが定着する中、出社の動機付けや人材定着につながる新たな福利厚生として注目されている。(田辺研吾)
栄養に配慮
「タニタ食堂」を展開する健康機器大手のタニタは4日、置き社食サービス「タニタカフェ at OFFICE」を始めたと発表した。導入企業は、初期費用6万円と月額利用料(4万5000円~)を払い、専用冷凍庫をオフィスに設置して商品を発注する。
メニューは、雑穀を使ったショートパスタやトマト仕立てのカレー、たっぷりの野菜を入れたスープなど栄養バランスに配慮した8商品。社員は、パスタは750~790円、カレーは770円、スープは500~580円を払う。
タニタが置き社食市場に参入する背景には、コロナ禍で進んだテレワークからオフィス回帰への流れがある。企業としては出社を促したいが、テレワークの利便性もあり、出社率が上向かない企業も少なくない。
谷田千里社長は「バランスの良い魅力ある昼食が出社の後押しにつながる」と話す。中小企業などを中心に初年度に100社の導入を目指すという。
昼食代上昇
従来の社員食堂では、大がかりな厨房(ちゅうぼう)設備が不可欠だ。社内にコンビニを導入する場合も相応のスペースと費用が必要になる。置き社食であれば、冷凍庫や冷蔵庫を設置するだけで済む。中小や新興企業が導入しやすい社員サービスだ。
社員にとっても、高くつく外食費を節約できる。リクルートが昨年3月に会社員らを対象に調査したところ、外食での昼食代は1243円と4年連続で上昇している。
2014年から置き社食サービスを展開するKOMPEITO(コンペイトウ)によると、コロナ禍後にオフィス回帰を進める企業などで導入が進み、24年8月時点の累計導入拠点数は約1万3000件に上った。約2年で2・6倍に増えたという。
福利厚生
コンペイトウの「オフィスで野菜」は、設置した冷蔵庫に新鮮なサラダやカットフルーツ、ハンバーグ、スムージーなどの総菜を届ける。導入企業は、初期導入費の7万円に加え、例えば月150個なら6万8000円で配達してくれる。
調査会社マクロミルは昨年12月、JR品川駅近くのオフィスにコンペイトウの置き社食を導入した。従業員アンケートで飲食関連の福利厚生を求める声が多かったためだ。会社が補助することで、50円でサラダやサンドイッチを購入できる。女性(24)は「外食で1000円超えは当たり前。コンビニでも500円はかかるのでとても助かっている」と歓迎する。
大手ホテルチェーンアパグループは昨年2月に全国223拠点で導入した。地方では近隣に飲食店やコンビニがないケースもあり、働き手にとって便利な飲食手段があることは職場選びの理由にもなり得る。アパグループは「福利厚生制度を充実させることで、健康で長く働きやすい職場環境を構築したい」としている。
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