1963年から続く「CIRCS研究」は、日本で実施されている最も長期的な疫学調査の一つです。この画期的な研究では、1万人以上の日本人を対象に、生活習慣と健康の関係を60年以上にわたり追跡調査。特に飲酒習慣に関する発見は、私たちの日常生活に役立つ貴重な知見をもたらしています。
適量のお酒がもたらす意外なメリット
CIRCS研究が示す驚きの事実とは?日本酒なら1合(約180ml)、ビールなら中ジョッキ1杯程度の適度な飲酒が、実は健康維持に効果的だということが判明しました。この量のお酒を楽しむことで、「善玉コレステロール」として知られるHDLコレステロールが増加し、血管の若さを保つのに役立つことが分かっています。
HDLコレステロールには、血液中の余分なコレステロールを回収する重要な働きがあります。これにより動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞や脳卒中といった命に関わる病気のリスク低下につながる可能性があるのです。
過剰摂取が招く危険性 - 知っておきたいリスク
しかし注意が必要です!飲酒量が日本酒2合(約360ml)以上になると状況は一変します。研究データによれば、過度なアルコール摂取は中性脂肪値を上昇させ、血圧にも悪影響を与えることが明らかになりました。
特に注目すべきは就寝時の血圧変化です。通常なら下がるはずの夜間血圧でも高い状態が続きやすい傾向が見られました。これは心血管疾患の発症リスクを高める危険信号です。
さらに肝臓への負担も無視できません。大量飲酒を続けると脂肪肝やアルコール性肝炎など深刻な肝機能障害につながる恐れがあります。
意外と重要な「飲み方」-ソーシャルドリンキング効果
興味深いことにCIRCS研究では、「誰と飲むか」という要素も健康影響に関係していることが判明しました。 友人や同僚との楽しい会話の中でお酒を楽しむ人は、 一人で黙々と飲む人よりも健康的である傾向が見られたのです。 一人での飲食には落とし穴があります: ・自然と量が増えやすい ・ストレス解消目的で過剰摂取しやすい ・気づかないうちに依存傾向になる可能性 一方社交的な場での飲食には: ・自然とペースダウンできる ・会話によって適度に休憩できる ・周囲からのフィードバックがある"スマートドリンキング"5つのルール
CIRCS研究から導き出された健康的なお酒との付き合い方:
✅"日本茶換算で1日180mlまで"厳守
✅"単独飲食より仲間との共食"推奨
✅"週最低連休日設定"必須
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✅程よい饮食文化こそ真なる智慧と言えるでしょう。