近年、糖尿病の発症年齢が若年化し、特に子どもの2型糖尿病患者が急増していることが医療関係者の間で大きな問題となっています。eatLIFEクリニック院長で糖尿病専門医の市原由美江先生は、この深刻な状況に警鐘を鳴らすとともに、子どもが糖尿病になりやすい家庭環境について詳しく解説しています。
知っておきたい!1型と2型糖尿病の根本的な違い
糖尿病は大きく分けて「1型」と「2型」の2種類があります。1型糖尿病は自己免疫疾患によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリン分泌機能が失われる病気です。一方で現代社会で爆発的に増えているのが生活習慣病として知られる2型糖尿病。過食や運動不足などの環境要因に加え、遺伝的素因も影響して発症します。驚くべきことに全糖尿病患者の90%以上をこのタイプが占めており、今や子どもたちにも広まっているのです。
なぜ?子どもにまで広がる生活習慣病
かつて子どもの糖尿病患者といえばほとんどが1型でした。しかし最近では中学生を中心に明らかな生活習慣病であるはずの"大人の病気"とも言えるはずの2型糖尿病患者数も急上昇中です。その主な原因として指摘されているのが食生活における欧米化傾向や日常的な運動不足による肥満問題です。
肥満状態になるとインスリン抵抗性(インスリンの効きにくさ)という現象を引き起こしやすくなります。「大人の場合必ずしも肥満とは関連しないケースもあります」と市原先生。「しかし子どもにおいては圧倒的に肥満との関連性が見られます」。つまり現代っ子たちを取り巻く不健康な環境こそ最大の問題点と言えるでしょう。
"要注意"家族に見られる共通点とは?
- ✓ 家族内(特に両親)に2型糖尿病患者が多い場合 → 遺伝的リスク大!
- ✓ 家族全体で太り気味・運動嫌い → 悪い習慣を受け継ぎやすい!
*本記事内容は医療機関を受診する必要性を否定するものではありません*
*気になる症状がある場合は必ず専門医へご相談ください*