警視庁は26日、歩行困難な障害者向けに交付される「駐車禁止除外指定車標章」を悪用したとして、大相撲の元時津風親方（元幕内時津海）である坂本正博容疑者（51歳・東京都墨田区在住）を偽造有印公文書行使の疑いで逮捕した。捜査関係者によると、坂本容疑者は「駐車違反の取り締まりを免れるためだった」と供述しているという。

事件の詳細について、捜査関係者は次のように説明している。5日午前9時45分頃、坂本容疑者は墨田区両国4丁目の路上で自身の自動車を駐車する際、偽造された標章を車外から見える位置に掲示したとされる。この標章は都内在住の別の男性名義で作成されたもので、カラーコピーによる偽造とみられている。

警視庁の調べでは、坂本容疑者は少なくとも昨年7月以降から複数の偽造標章を使用し、継続的に違法な路上駐車を行っていた可能性が高いという。長期にわたる悪質な犯行パターンが浮かび上がっている。

■波乱に満ちた経歴
坂本容疑者の相撲界における経歴は数々の問題行動に彩られている。2007年には先代時津風親方（当時）が力士暴行死事件に関与して解雇されたことを受け、現役引退後に名跡を継承した経緯がある。

さらに2010年には野球賭博事件への関与が発覚し降格処分を受けたほか、2021年のコロナ禍期間中には大相撲開催中にもかかわらず風俗店やマージャン店へ出入りしていたことが判明。日本相撲協会理事会から「退職勧告」処分を受けていたことが明らかになっている。