文部科学省は、大学で教員免許を取得するために必要な「教職課程」の単位数を減らす方向で制度の見直しを進めていることが、関係者への取材でわかった。
必要な授業内容を精選しつつ、削減した授業分はデジタル技術を活用したオンライン学習で補い、教員養成の質を維持しながら学びの成果をきちんと確認できる仕組みを整備する。2027年の教育職員免許法改正を目指す方針だ。
◆ 教職課程の負担軽減が急務に
現在、教員免許を得るには大学の教員養成系学部だけでなく、他学部でも教職課程を履修する必要がある。
しかし、他学部生は通常の専門科目に加え、多くの教職課程単位を取得しなければならず、その負担の大きさから教員免許取得を敬遠する傾向が指摘されてきた。
こうした課題は、慢性的な教員不足の解消の妨げにもなっている。文科省は、教職課程の単位数を削減して履修しやすい環境を整え、教員免許取得の裾野を広げたいと考えている。
◆ 単位数の見直しとデジタル活用で質の維持を両立
教職課程は現在、教科や教職に関する科目が中心で、最低59単位以上の履修が必要だ。今回の見直しでは、共通で学ぶべき基本内容に絞り込み、単位数を減らす方向で検討が進んでいる。
単位削減に伴う学びの機会不足を補うため、デジタル技術を活用し、オンライン教材や遠隔授業での学習支援を充実させる予定だ。
また、学習成果の確認や理解度の評価を厳格に行い、教員養成の質が損なわれないよう徹底するという。
◆ 教育現場のニーズに対応し多様な人材を育成
教育現場では、探究的な学びを指導できる教員が求められている。
文科省は単位数の削減と並行して、教員養成のカリキュラム自体も見直し、実践力や柔軟性の高い多様な人材を呼び込むことを目指している。
今後、関係機関や教育現場と連携しつつ、具体的な制度設計を進めていく方針だ。
◆ 今後のスケジュール
詳細な制度変更案はこれから詰められ、2027年の通常国会での教育職員免許法の改正を目指す。
改正が実現すれば、大学での教員免許取得の負担軽減に加え、教員志望者の増加と教員不足の緩和につながると期待されている。
教員免許取得のハードルを下げつつ、質の高い教員養成を両立させることは、今後の日本の教育改革において重要な課題の一つとなる。
制度変更の動向に注目が集まっている。
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