外で散歩していると、おしゃれな服を着た犬を見かけることが多くなりました。自宅でも防寒や抜け毛対策として、ペットに服を着せている方も少なくありません。

でも本当に、犬にとって服は必要なのでしょうか？

「可愛いけど、犬は嫌がってない？」「防寒にはいいけど、実は逆効果？」といった声もありますよね。

そんな疑問について、動物医療の専門家であるますだ動物クリニック（静岡県島田市）の院長・増田国充先生にお話を伺いました。

■犬に服を着せるとどうなる？獣医が語る“本当の影響”

増田先生によれば、犬は本来、服がなくても生きていける動物です。被毛があり、ある程度の寒さには対応できる体のつくりをしています。

ただし、服にはおしゃれ以外にも“機能的な役割”があるのだとか。

• 寒さに弱い犬種や高齢犬の体温低下を防ぐ
• 手術後の保護や皮膚病ケア
• ノミやマダニの付着予防
• 抜け毛の飛散防止 など

正しいサイズ・素材を選び、気温や体調に応じて使えば、犬にとってプラスになることも多いそうです。

■服を着せた方がいい犬、そうでない犬

実は、犬種によって「服の必要度」は変わってきます。

服を着た方がよい犬の例：

• 小型犬（体温が逃げやすい）
• チワワ、トイプードル（シングルコートで寒がり）
• イタリアングレーハウンド（脂肪が少なく被毛が短い）

逆に、服があまり必要ない犬種：

• 秋田犬、シベリアンハスキーなど寒冷地原産で被毛が豊富な大型犬
• 元気な成犬で寒さに強いタイプ

■服を着せるタイミング、NGな使い方もある

服はいつでも着せていい、というものではありません。注意すべきポイントもあります。

服を着せた方がよい状況：

• 冬場の散歩時
• 体温調節が苦手な高齢犬
• 病中・術後のケアや保護目的

避けたい使用方法：

• 暑い日に服を着せたまま放置
• サイズが合っていないものを着せ続ける
• 長時間の着用で毛が絡んだり、皮膚がかぶれる可能性も

■まとめ：犬の“快適”を第一に考えよう

ペットの服は「かわいい」だけでなく、「機能性」も重視される時代。

ただし、犬の体質や状態に合わせて使い分けることが大切です。

• サイズや素材選びは慎重に
• 違和感がある様子ならすぐに脱がせる
• 気になることがあれば、かかりつけの動物病院へ相談

見た目のかわいさ以上に、“犬にとって本当に心地いい”かどうかが一番大切です。