2024年、日本の出生数が初めて70万人を下回る見通しとなり、少子化が一段と深刻さを増しています。ところが、少子化は日本だけの問題ではありません。「世界一幸せな国」として知られる北欧・フィンランドでも、出生数の減少が深刻な状況となっています。社会保障が充実しているフィンランドでさえ少子化が進む背景には、何があるのでしょうか。
厚生労働省が今年2月に発表した人口動態統計によると、日本で2024年に生まれた子どもの数(外国人を含む出生数)は72万988人となる見込みで、日本人だけに限れば70万人を下回るとされています。日本の出生数は9年連続で過去最低を更新し、専門家の予測を上回るスピードで少子化が進んでいます。
こうした状況を受け、少子化対策としてよく指摘されるのが「子育て支援の拡充」です。しかし、日本よりもはるかに子育て支援が手厚い国でも出生率が低下している例があります。その代表例がフィンランドです。
世界幸福度ランキングで2023年に1位となったフィンランドの出生率は、同年1.26にまで低下しました。これは日本が2022年に記録した過去最低水準と同じ数値であり、フィンランドも日本と同様に深刻な少子化に直面しています。一方で、U.S. Newsが発表した「子育てしやすい国ランキング2023」ではフィンランドは3位に選ばれるなど、子育て環境は高く評価されています。
フィンランドの子育て支援は、妊娠期から子どもが小学校入学までをサポートする「ネウボラ(Neuvola)」という制度が特徴的です。これは母子健康診査や子育て支援サービスが無料で提供されるもので、日本の母子健康手帳とは異なり、長期間にわたって親子を支援します。妊婦健診などの費用も自己負担がない点が大きな特徴です。
『北欧流 幸せになるためのウェルビーイング』の著者で、北欧流ワークライフデザイナーの芳子ビューエル氏は、こうした手厚い支援があるにもかかわらず出生率が低下している理由について、今後の社会や価値観の変化が背景にあるのではないかと指摘しています。少子化は経済的な支援だけでは解決できない、複雑で多面的な課題となっているのです。
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