2025年4月以降、私たちが毎年受け取る「ねんきん定期便」に大きな変化が訪れます。これまで記載されていなかった「事業主が負担している厚生年金保険料」の金額が明記されるようになるのです。この変更は、SNS上で「給付額を多く見せるために事業主負担分を隠しているのでは?」といった声が上がったことを受けたものですが、その背景にはより深い意味があるようです。
知っておきたい厚生年金保険料の基本構造
会社員の方ならご存知のように、厚生年金保険料は毎月の給与から天引きされています。実はこの金額、従業員と会社が折半して支払っているのです。現在の保険料率は18.3%で、これは報酬額に応じて計算されます。
具体的な例を見てみましょう。
・月収93,000円未満の場合(1等級):本人と会社それぞれ8,052円
・月収63万5,000円以上(32等級):上限65万円に対し59,475円ずつ
このように、収入が多いほど支払う保険料も増える仕組みになっています。
なぜ今になって事業主負担分を記載するのか?
今回の変更で注目すべき点は、「これまでなぜ記載されていなかったか」という部分です。実は事業主負担分は従業員個人の年金額に直接影響しないため、簡潔さを優先して省略されていたのが実情でした。
SNSなどでの指摘を受けてのことではありますが、「隠していた」わけではなく、「必要最低限の情報だけを伝えていた」というのが正確なところでしょう。今回これを追加することで、より包括的な理解を得られるようになることが期待されています。
この変更で何が変わる?
- 透明性向上: 「誰がどれだけ支払っているか」が見える化されます
- 制度理解促進: 「自分の給与から引かれている金額だけでなく企業も同額支払っている事実を知ることで社会全体での保障意識向上につながります" " "
- "将来設計支援" " : "老後に受け取れる金額についてより正確な予測" " "