2024年、日本の出生数は72万988人と過去最少を更新し、少子化が加速する中で産科医療の在り方が問われています。特に注目される出産費用への保険適用議論の最前線で、東京かつしか赤十字母子医療センター・三石知左子院長が語る周産期医療の現実とは──。
世界トップレベルの新生児死亡率を誇る日本。三石院長は500~600gという極低出生体重児が高度医療で救われる現場を見続けてきました。しかし背景には深刻な課題も。「高齢出産の増加に伴いNICU入室児が急増し、貧困やDV、精神疾患を抱える『特定妊婦』への支援体制づくりが急務です」と指摘します。
10代妊娠の問題にも触れ、「高校生ママたちの健気さに胸を打たれる一方、その裏には家庭環境や経済的困窮などの複合要因がある」と実例を交えて解説。同院では行政と連携した包括的ケアに力を入れています。
2025年10月から東京都が導入予定の無痛分娩助成制度については「働く女性にとって画期的な一歩」と評価する一方、「麻酔科医不足や緊急時対応など課題山積」との現実も明かします。さらに地方では「保険適用による診療報酬改定が逆に産院閉鎖を招く懸念」があり、地域医療維持へ新たな支援策が必要だと訴えます。
全国赤十字病院唯一の女性院長として「孤独感との戦いもある」と打ち明けつつ、「保育補助や柔軟勤務制度で女性医師活躍環境を整備したい」と決意。最後に愛誦する句「三椏(みつまた)の花よ 女よ 俯くな」に込めた思いを語りました。「どんな困難も乗り越えられる社会をつくるのが私たち世代の使命です」。少子化時代にあらためて考える命に向き合う覚悟とは──。
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