現在、がんに関する情報はあふれるほど提供されていますが、その中で本当に必要な情報にアクセスするのは難しいと感じている人が多いのが現実です。実際、がん患者の約45％が情報収集に困難を感じているという調査結果もあります。情報が多すぎると逆に混乱してしまうことがありますよね。

特に肺がんのような高い死亡率を誇るがんに関しては、早期発見が非常に重要です。従来の肺がん検査方法ではがんを見逃してしまうリスクが高く、近年普及している低線量CTが、より精度高く早期発見を助ける方法として注目されています。

国立がん研究センター東病院で呼吸器外科長を務める坪井正博医師によれば、胸部レントゲンでは心臓や肋骨に隠れたがんを見逃すことがあり、専門性の低い医師が担当すると検査の精度にも差が出ることがあるそうです。しかし、低線量CTは被曝量が少なく、検査精度が高いため、特に50歳を過ぎて喫煙歴のある人は毎年受けることを推奨しています。

さらに、低線量CTは従来のCTよりも画像のスライスが細かく、数ミリの小さながんも発見できるため、従来の検査方法に比べて死亡率を20％低下させることができるとされています。

しかし、血液検査や尿検査でがんを早期に発見できると謳う製品もありますが、肺がんに関してはまだ効果的ではないとされています。血液検査で腫瘍マーカーを調べても、進行がんでないと検出できない場合が多いです。結局、肺がんの早期発見には、依然としてCT検査が最も有効であることが証明されています。

肺がんの生存率を大きく左右するのは、早期発見と定期的な検査の受診です。肺がんのリスクが高い喫煙者や過去に喫煙歴のある人は、特に注意が必要です。