誰もが気軽に情報を発信できる時代になって久しい。手軽さゆえに、類似コンテンツとの差別化を測るのは難しく、各人腕の見せ所といえよう。 昨今人気の大食いYouTubeの世界もご多分に漏れず、豪快に大量の食べ物を胃袋に流し込む動画が日夜量産されている。

自らの個性を見定めた結果、“ビールの飲みっぷり”を武器にしたのが『金ちゃんTV』だ。毎日2リットルのビールを飲み干すと豪語する運営者の「金ちゃん」に話を聞いた。

10代のころは「大食いを隠していた」

ご存じの通り、ビールは腹が膨れやすい飲み物だ。にもかかわらず、小麦色の液体をまるでお冷のように口にしつつ、用意された大量の料理が画面から次々と消えていく……。一般人とは身体の構造が異なると認識せざる得ないわけだが、いったいいつから才能の片りんを見せていたのか。

「小学生のころから食べるのは好きでしたし、晩ご飯で4〜5杯はおかわりをしていたので、普通に考えて大食いですよね。でも、まだ一般的な量がどのくらいなのかがわかっていなくて、『どちらかというとよく食べる方だな』というくらいの自覚でした」

大食いだと気づいたのは高校生のとき。名古屋のデカ盛りチャレンジ店で、大皿にミートソースパスタ・カレーライス・チャーハン・ハンバーグが盛り付けられた3キロのプレートを完食した時だったという。その店には「ひとりで行った」という彼女の行動には、10代の女性らしい思いが隠れていた。

「10代のころはたくさん食べることが恥ずかしいと思っていました。だから、そのお店も気になっていたんですが、友達を誘うことができなくて……。当時、友達とご飯を食べに行った時は、みんなと同じように1人前だけ食べるんですけど、どうしても足りなくて……。友達と別れた帰りのコンビニでお弁当を買い食いしていましたね（笑）」

撮影がなくても「ビールは毎日2リットル飲む」

麺類が好物だという金ちゃんは、過去に「ざるそば」「ひやむぎ」を3.5キロ（つゆ含む）完食した記録を持つ。しかし、無理くり胃袋に食べ物を押し込んでいくスタイルではない。

「私は、好きなものを楽しく食べるようにしています。なので、フードファイターの皆さんのようなトレーニングは全然していませんね。ただ、3.5キロというレベルを落としたくはないので、たまに限界近くまで食べています。でも、3.5キロであれば最後まで飽きずに美味しく食べられますよ」

お酒を相棒にすることにこだわりがあり、過去にはビールを飲みながら寿司100貫を完食したこともある。ちなみに前からお酒は好きで「強いね」とよく言われていたそうだ。毎日2リットル飲むようになったのは、5年くらい前にYouTubeをはじめてからだという。

「そこが私の1番の特徴かなと思っています。大食いの世界は人材豊富。『大食いにプラスして私にできることって？』と考えた結果、大好きだったお酒を飲みながらやるようになりました。とはいえ、シンプルにビールが好きだからというのが一番かな。ふだん撮影以外ではそんなに大食いをしないんですが、撮影がなくてもビールは毎日欠かさず2リットル飲んでます（笑）」