薄暮事故とは?対策はあるのか
交通事故が起こってしまう原因はさまざまですが、その多くは前方不注意であったり操作ミスであったりと、ヒューマンエラーが8割以上とされています。 【画像】秋から冬にかけて増加する「薄暮事故」を画像で見る(10枚) また、見通しの悪い交差点や暗くてよく見えない夜間など、環境による視界の悪さが原因で起きてしまった事故も少なくありません。 特に秋口から冬にかけての時期は環境と人、両方の要因に起因する「薄暮事故」へ注意したいところです。この薄暮事故とは、具体的にどのような事故なのでしょうか。
警視庁は、令和元年から令和5年の間における死亡事故発生状況を分析した結果、日の入り時刻と重なる17時頃から、19時台に事故が多く発生していると発表しています。 この日没前後の1時間は「薄暮時間帯」と呼ばれており、薄暗く視界が悪くなり始めるため、事故が発生しやすい傾向にある時間帯。そして薄暮時間帯に発生する事故が、薄暮事故と呼ばれているという訳です。 薄暮事故の中でももっとも多く発生しているのは、クルマやバイクが歩行者をはねてしまうという事故。そのほとんどが、歩行者が道路を横断中に起きています。 完全に周囲が暗くなっていないにもかかわらず歩行者がはねられてしまう原因として、車両のヘッドライトが灯火されていない事が挙げられます。 ヘッドライトが無灯火な事により、歩行者がクルマやバイクを認識できずに道路を横断してしまい、事故につながってしまっているケースが多いとされているのです。
しかし近年販売されているバイクは、ヘッドライトが常時点灯であるものがほとんどにもかかわらず、事故が発生する可能性はゼロではありません。 では薄暮時間帯での事故を防ぐために、ライダーはどういった対策を講じればよいのでしょうか。 バイクの場合、クルマと比べて車体が小さいためライトを点灯していても気づかれにくく、走行してくる車両に気づかず横断してしまう歩行者も少なくありません。また小柄で発見されにくいということは、薄暮時にはクルマにもぶつかられてしまう可能性が高くなるということ。 こうした要因から、警察庁は歩行者やクルマにバイクを視認してもらうためには、ヘッドライトの「ハイビーム」の活用が大切だと呼びかけています。 ハイビームは、100m先のものまで照らすことができる上向きのライトのこと。反対に「ロービーム」と呼ばれるものもあり、こちらは40m先のものが見えるように照らす下向きのライトです。 ロービームは正式名称「すれ違い用前照灯」と呼ばれるもので、対してハイビームは「走行用前照灯」と呼ばれています。
これらの名称からも読み取れるように、ロービームは周囲に走行する車両が存在する場面で使用し、ハイビームは対向車や前方を走行する車両がいない時に使用するライトであるということがわかります。そのため薄暮時や夜間の事故を防ぐためには、バイクは通常ハイビームで走行して存在を周囲に知らせることが重要。 そしてすれ違う車両や人の通行に支障が出ないよう、通行する車両や歩行者を確認した時はロービームに切り替える必要があります。 なお、切り替えが面倒だからといってハイビームのまま、またはロービームのまま走行すると、適切なタイミングでハイビームを使用していない/ライトを点けていない状態であるとみなされ、「無灯火違反」が適用される可能性があります。 無灯火違反とみなされた場合は、違反点数1点に加えて二輪車の場合6000円、原付は5000円の反則金支払いが命じられることに。また、ハイビームのまま走行を続けると「減光義務違反」とみなされる場合もあり、前述の無灯火違反と同等の違反点数と反則金が科せられることになるので注意してください。
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