まさに「大山鳴動して鼠一匹」の結果と言えるだろうか。FA宣言した阪神・大山悠輔だが、巨人との争奪戦の末に、残留が決定。実は今回の残留決定について、他の関係者以上に胸をなで下ろしている担当者がいるのだという。 【写真】来年の阪神のカレンダー。藤川新監督、近本と比べ、大山の扱いは小さめに
大山が会見で残留を表明するおよそ1週間前の11月23日から発売となったのが、「阪神タイガースカレンダー2025」だ。壁掛けタイプ(1500円)と卓上タイプ(990円)がタイガースショップやコンビニなどで発売されている。グッズ製作会社関係者が言う。 「例年、球団カレンダーの製作は非常に難しい。というのも、11月のファン感謝デーに合わせて完成させなくてはならないから、10月下旬から11月上旬にはデザインを決めて印刷に入らないと間に合わない。しかし、日本シリーズが10月末から11月頭であって、その1週間後がFAの申請期限で、そこから契約交渉となる。つまり、FAで移籍を目指す選手については、カレンダーを印刷する時点で“来年もチームにいるかどうかわからない”ということになるのです」
メインには据えられない
実際、阪神の2023年のカレンダーを見ると、リーグ制覇の歓喜に沸いた「9月」のページに載っているのは藤浪晋太郎(と他2選手)の写真。ご承知の通り、藤浪はこのシーズンの開幕前にポスティングでメジャーに移籍しており、リーグ制覇には貢献していない。前出のグッズ製作会社関係者が続ける。 「特に難しいのがFAです。FAを宣言して、移籍するケースもあれば、残留することもある。FAの交渉中に発売されるカレンダーから(その選手の写真を)外してしまうと残留するものもしなくなりそうに感じてしまうし、その一方、エースや主軸であってもFA移籍するであろう選手をカレンダーのメインには据えられない。まさに今年の大山悠輔のようなケースがそれにあたる。担当者は相当に頭が痛かったと思います」 そうした苦労の末に印刷された2025年の阪神のカレンダーで大山はまず、表紙に近本光司、佐藤輝明、岩崎優、才木浩人、森下翔太とともに登場している。その他のページを見ていくと、1月の藤本球児・新監督、3月の近本光司のみが、単体の写真で1ページを占めている。その他の月は複数選手が登場するかたちとなっており、大山は4月に岩崎優と2人セットで登場している。
バランスを取る判断に
スポーツ紙デスクはこう分析する。 「藤川監督と近本がメインの扱いで、印刷時点で去就が分からない大山はピンで写真を載せるかたちではないが、開幕直後の4月にしておくということでバランスを取る判断だったのでしょう。結果的に大山の残留が決まって、関係者は胸をなで下ろしている」 そうしてカレンダー問題は乗り切れたが、チーム内では年俸格差などの課題も残る。アレンパを目指したチームは今季、2位に終わり、契約更改はアップが続々、というわけにはいかず、大きく額が下がる辛口査定も見られるが、FA宣言しての残留などの場合は大幅アップが鮮明になる。 「大山は6000万円アップの年俸3億2000万円(推定、以下同)、出来高を含めて5年総額20億円で契約を更改。FA権を行使せず残留した坂本誠志郎は3000万円アップの1億円での4年契約を結んでいる。国内FAの原口文仁、ポスティングの青柳晃洋はまだ決まっていない」(虎番記者) 球団カレンダーに掲載されたメンバーから欠ける選手が出ることなく、来季はV奪還を目指すことができるか。
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