仕事の店選びでは、何に気をつけるべきか。編集者の戸賀敬城さんは「世の中には、店内の雰囲気はいいけれど料理やサービスは二流、というお店は山ほどある。雰囲気も落ち着いていて、こだわりのメニューを出してくれる料理店は、いくつかの特徴がある」という――。 【この記事の画像を見る】 ※本稿は、戸賀敬城『ビジネス会食の技術』(三笠書房)の一部を再編集したものです。 ■仕事のセンスは店選びでわかる 前著『結果を出す男はなぜ「服」にこだわるのか?』(集英社)では、ファッション誌に携わってきた経験から、「服の着こなしがきちんとしている人は仕事もできる」という私の持論をお伝えしました。 飲み会も同じ。お店選びには、その人の仕事ぶりがあらわれると言っても過言ではありません。たとえば、料理がおいしくもないのに値段ばかり高いお店や、大声を出さないと会話ができないようなにぎやかなお店を選ぶ人に対しては、「仕事もこんな調子かも。大丈夫かな?」と不安になるものです。 一方、相手が喜ぶ、居心地のよいお店を選ぶ人に対しては、安心感を覚えます。 どんなお店を選ぶかで、「仕事で結果を出せる人なのか」「仕事のセンスがある人なのか」といったことを垣間見ることができます。 相手は、あなたのお店選びのセンスを見ています。だからこそ、お店選びに手を抜いてはならないのです。
■究極の店選びは「常連」になってもらうこと 店選びの究極の目標は、連れていった相手に、そのお店の「常連」になってもらうことです。私も何度か経験がありますが、飲み会をセッティングした立場として、これほどうれしいことはありません。 先日もクライアントを、ある寿司屋さんに連れていったのですが、こんな連絡をいただきました。 「戸賀さん、この間連れていってくれたお寿司屋さんに、今度私のお客さんと一緒に行くことにしたんです」 クライアントが自分のお客様を連れていくということは、そのお店を気に入ってくれた証拠。ひいては私自身のことも気に入ってくれたと考えてもよいでしょう。 イヤな人に連れていかれたお店をひいきにしようとは思いませんから。そういう意味では、私が前回、企画した飲み会が成功だったという証でもあります。 相手が「行きつけにしたくなるか」は、お店選びの成功のバロメーターなのです。 ■飲み会で自分がどのように振る舞い、何を伝えるか 「高級店に連れていけば、すべてうまくいく」という考えは間違いです。たしかに、1人2万~3万円もするような高級店であれば、料理もサービスも一流でしょう。しかし、飲み会の目的を考えれば、単価が高ければ正解とは限りません。 自分のプレゼンスを上げると同時に、相手との距離感をつめて、結果につなげる。これが飲み会のおもな目的です。 高級店を予約したことで満足し、あぐらをかいているようでは、これらの目的を達成することはできません。「飲み会で自分がどのように振る舞い、何を伝えるか」が重要なのです。 また、高級店を選ぶと相手に余計なプレッシャーをかけることにもなります。「大変なお願いごとをされたら困るなあ」と身構えさせてしまっては、かえって不利な状況に陥ります。 飲み会のお店は高級店でなくてもかまいません。 関係が深くていつもお世話になっている相手であれば、10回に1回くらいは感謝の気持ちを込めて高級店でもてなすという心遣いは大切です。しかし、普段の飲み会で使うお店は、まったく背伸びをする必要はありません。 実際、私が普段使っているお店は、1人あたり4000~8000円の価格帯が中心。1万円を超えるようなお店はめったに使いません。 そもそも会社の経費を使っているのですから、費用対効果を意識した飲み方が求められるのは当然です(ちなみに、私が勤めていた会社は外資系なので、経費の使い方は厳しく問われました)。
■「雰囲気だけ」のお店は絶対に選んではいけない お店を選ぶときの注意点は、「雰囲気だけ」のお店を選ばないことです。 少々生意気なことを言いますが、世の中には、店内の雰囲気はいいけれど料理やサービスは二流、というお店は山ほどあります。 都内の人気エリアに出店して1~2年で消えていくようなお店のほとんどは、この手の「雰囲気重視」のお店です。オーナーに「この地でずっとやっていこう」という気概やこだわりがないから、とりあえず外からの見てくれだけはよくして一見のお客を取り込む。 しかし、料理やサービスの本質的な部分がともなっていないから、リピーターがつかないのです。私も何度、この手のお店にだまされたことか……。雰囲気重視のお店はデートで使うにはよいかもしれませんが、ビジネスの飲み会では、絶対に避けるべきです。 ねらい目は、箸で食べられる和食割烹の比較的新しいお店。 有名店で修業した板前さんが独立して初めて出した、カウンター席といくつかのテーブル席があるような小規模な店舗――。そんなイメージです。老舗や有名店ではないので、料金も比較的リーズナブルです。 割烹料理店は、たいてい雰囲気も落ち着いているので、仕事の飲み会には適しています。また、カウンター席が中心のお店は、お客様から調理風景が丸見えなので、少なくともレンジでチンしたり、手抜きをしたりしません。 むしろ一般的なお店にはないようなこだわりのメニューを出してくれる可能性が高いといえます。 ---------- 戸賀 敬城(とが・ひろくに) 編集者、オフィス戸賀代表 1967年東京生まれ。オンラインメディア「J PRIME」編集長、「B.R.ONLINE」顧問を務めるほか、様々なブランドのアンバサダーやコンサルタントとして活動する。2007年から10年ほど男性ファッション誌『MEN'S CLUB』編集長を務め、雑誌不況のなか売り上げをV字回復。定期購読者も約8000人と、他の雑誌ではあり得ない強固な会員組織を作り上げた。ビジネス/プライベートの様子を日々発信しているブログ「トガブロ。」も人気。華やかなライフスタイルとキャラクターが注目を集め、月間平均100万PVを誇る。1年365日中、max364日は仕事の会食で予定が埋まっており、山手線の駅ひとつにつき1店は、会食に使う店リストを持つ。 ----------
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