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　1,000万円の軍資金を元手に、資産を約3億円まで増やした某哲也さん（X：@19830128to）。勝ち続けるためのルールはとてもシンプルに定めているという。全3回にわたって送るインタビューの第2回では株の買い時、売り時、そして「投資が向いている人の思考」を語ってくれた。 【動画】元三菱サラリーマンが7000万円でFIREするために守った投資のルール…2024年末・2025年始の注目投資セクター・銘柄も大暴露

現物投資はフルポジが基本！現金化している資産はほぼ投資

ーー某哲也さんの今の投資スタイルを教えてください。 　増収増益のバリュー株を狙う投資スタイルです。四季報に目を通して気になった銘柄は、過去10年の業績を分析するようにしています。10年間増収増益であること、加えて増配傾向にある銘柄だと尚良いですね。今持っている銘柄は3～4％の配当を出しているものが多いです。 　ただし、税引き後の利益（純利益）の中から、配当金をどのくらい支払っているかを示す配当性向は50％以下の銘柄に限定しています。これらの条件を満たしている銘柄をピックアップして、分散投資をしています。その中でも、より良いと思った銘柄で信用取引を使ってロットを大きくしたり、安値で買い増したりすることもあります。現物投資はフルポジが基本。現金化している資産はほぼ投資に充てているのです。

「よく分からない」と感じる銘柄は触らない

ーー気に入っている、または得意なセクターはありますか？ 　それはありませんが、「よく分からない」と感じる銘柄は触りません。たとえば、化学は山あり谷ありの業績で素人には見極めが難しいと思います。良かったと思っても、すぐに悪くなることがあり得る分野です。何故そのようなことが起きるのか、それを知るのは難しいことだと考えたので、それらの銘柄は買わないようにしています。 　また、銀行はPBR（株価純資産倍率）も低く、評価されない銘柄も多いですよね。仕事内容としては預金、融資、為替、金融商品の販売をしているとはいえ、それらに私はピンときませんでした。想像し難いのです。そのため、銀行銘柄も触れないようにしています。

マイルールを満たした約300銘柄を監視

ーー証券会社などが提供しているスクリーニング機能は使いますか？ 　便利な機能だとは思いますが、機械的なスクリーニングは点の情報しか分からないので活用していません。 　マイルールを満たした良い銘柄は300銘柄ほどExcelにまとめてあるので、それらを監視して吟味しています。 ーー買い時はどうやって決めているのか教えてください。 　重視しているのはPER（株価収益率）です。PERの推移を見て安いときに買っています。株価チャートも見ますが、増収・増益のバリュー株はPERに沿って動くことが多いです。PERの推移を見ていると、たとえばPER10が平均で8になると底、12になると売られやすいなどを銘柄ごとにそれぞれの傾向を分析することができます。 　上記のような傾向がある銘柄では、PER8のときに買って、10を超えたら売りを検討するといった具合で取引しています。 ーー決算後に買うことはありますか？ 　買うこともありますが、決算が良くても株価が下がる銘柄は少なくありません。決算前後は投機トレーダーも参入してくるのでそのようなことがあり得るのでしょうが、増益でありながら株価が下がった銘柄はPERも大きく下がります。 　減益になればPERは上がりますし、いくら株価が下がろうとPERが上がったら買わないと判断します。PERは株価と利益の両方が反映されているので、判断材料としては優秀で、PERを基準とした売買で私は大損した記憶はありません。